kiji101112kiji101112
 
過去記事TOPTOP
kiji110325kiji110318

 


第3664号  2016年(平成28年)10月28日 金曜日


● 離島結ぶ地域航空会社設立!? 国交省 ANA・日航に検討要請か
    八丈島路線は…
● 未来を変えること 今ここからはじめます 全国で4校目 八丈島熱中小学校開校
● 町給食センター 島食材たっぷりの献立で 給食甲子園 決勝進出
● 東京2020 オリンピック・パラリンピック フラッグツアー 「おじゃりやれ」の島言葉で歓迎

● 熱中小 初日の授業から
    対策徹底で出生率回復 前内閣官房地方創生総括官 ◎山崎史郎氏
    今は巨大ネットワークの中で生きている時代 ネットラーニング代表 ◎岸田徹氏
    学び、交流、起業の拠点に
● 産業育成会 タイでBUY TOKYO事業 焼酎・島産品販促とインバウンド
● 末吉洞輪沢温泉2年ぶりに再開
● 海洋情報提供で 海保から感謝状
● 町定例表彰 功労者22人
● カメラ目線の珍客 コミミズク
   
● 変わる八高の学校図書館 ふらっと立ち寄りたくなる場所に
    楽器も並ぶカウンター 節度ある会話と飲食OK!
    文化祭でブックトーク
● 唐組女優 赤松由美さん 詩作に大奮闘!
    谷川俊太郎、穂村弘も参加
● 清水あすかさん 4冊目の詩集
● 編み込み動物バッグ 東海えりかさん
   
● 打ちやれ 食べやれ! 24時間チャレンジ八丈太鼓
● 太鼓張り替え 島でも! 石井秀さん
● 三原大運動会 初の小中合同で
● 第80回タイムス杯 大賀郷が優勝
● 全温泉施設一時休業

● たんしん 
     大賀郷中音楽会 30日、富士中合唱コンクール 11月5日、いずれも町ホールで
     あびの実主催子ども招待公演「狂言ミュージカル入間川」 30日、三根小体育館で
     優婆夷宝明神社例祭 11月12日、御輿。13日、例祭式典、夜店、八丈太鼓、餅まき、抽選会など
     東京都交響楽団プレミアムコンサート 12日、町ホールで
 

 

 

変わる八高の学校図書館 ふらっと立ち寄りたくなる場所に
楽器も並ぶカウンター 節度ある会話と飲食OK!


ディスプレイはきまぐれにかわる。「まだやりたいことがあるので」と吉岡教諭


イベント情報などを知らせるインフォメーションボード。入り口正面に置かれている


 


  入り口正面にイベント情報などを知らせるメニューボードがあったり、本と一緒に楽器が並べられたり──。旧来の図書館のイメージを一新する八高図書館が、校内のちょっとした癒しスポットになっている。
 ディスプレイを手がけるのは4月から図書館担当になった司書教諭の吉岡恒平さん。「生徒に何か面白そうだなと感じて図書館に足を運んでもらいたい。今は場所を限定して一部飲食もOKで、お昼を食べに来る生徒もいる。固定観念にしばられないで、図書館で何ができるのか、当面はいろいろ試してみたい」という。
 「前より敷居が低くなった」「本はあまり読まないけど、時々見には来る」と、少しずつ訪れる生徒が増えてきた。放課後も静かに勉強したいという生徒は私語がだめな自習室に。一方、勉強でわからないことを友だちに聞いたり、調べものをしたい生徒は図書館へという棲み分けができつつある。他の利用者に迷惑をかけないレベルなら、会話もしていいルールだ。
 むしろ、この「会話する」が、新しい図書館のコンセプト。実際、話し声があちこちから聞こえる。吉岡教諭も図書館に来る生徒に積極的に声をかける。「生徒に本を読みなさいといって読むようになるわけではない。私自身それほど本は読まないですから。本の話題に限らずに、自然に素直な気持ちで生徒と話せればと思っています」。

 

文化祭でブックトーク

 

 八高祭(9月25日)でも、図書館が開放され、古本市も、わざわざ図書館の中で店開きした。これも入場者に図書館をアピールする仕掛けだ。ぶっつけ本番ながら「ブックトーク」も企画し、3年生の図書委員3人が、集まった八高生や一般の入場者に自ら読んだお勧め本を紹介した。
 小説「きいろいゾウ」(西加奈子著)を取り上げたのは佐々木南さん。「今注目している作家の本。関西弁が親近感がわく。ツマとムコの夫婦の物語で、同じ家に住む夫婦でも考え方が違うことがわかる。幸せだった二人の生活が、小説の後半はだんだんダークになっていくんですが、読み終わったあとは心が温かくなります。宮浮おいと向井理の主演で映画化もされている」と勧めた。
 土屋文彦さんの一押しは「『レベルアップ』のゲームデザイン」(Scott Rogers著)。「ふだんやっているゲームも、制作側のことを知ると見方が変わって楽しくなる。文章や注釈にもユーモアがあふれ、イラストもわかりやすい。マジで読んで」と押した。
 コミック「聲の形」(全7巻、大今良時著)を紹介したのは中山開さん。耳が聞こえない転校生・硝子へのいじめを題材に、ストーリーが展開していく。「コミックが単行本化された後、多くの賞を受けた。今年映画化され、『君の名は。』に続く人気。ぜひ見てください」と、同世代、同時代ならではの共感を伝えた。
 一般参加者からは「いい本に出会った生徒が、SNSの『いいね』の感覚で本屋の手書きポップ風の紹介をすれば、もっと本を読みたくなるかも」との声もあった。