「百までやります。死ぬまでやります!」
「第30回浅葉杯全島卓球大会」(主催=東京キングコング卓球クラブ、共催=八丈島卓球連盟)が28、29両日、三根小と大賀郷小の体育館で開かれ、141人(島外53人、島内88人)が熱く交流した。
始まりは、1986年に弁護士の木村晋介さんや椎名誠さんらが開いた「どか酔いセミナー」。多彩な著名人が八丈島を舞台にアウトドア・スポーツ体験や文学のティーチインなどをくり広げたユニークなイベントで、アートディレクターの浅葉克己さんが担当したのは卓球大会だった。以来30年間、休むことなく大会は継続された。
28日夜は、リードパークリゾートで大会の30周年を記念する「ザ・卓球ディナーショー」が開かれた。主催した浅葉さんは「30年はたいしたことない。流人の島に、年に一回の島流しです。3回目の大会を開いたとき、島の人から、長くつき合って親戚になりましょうと言われ、ずっと続けなきゃと思ってやってきた。死ぬまでやります。百まで生きたら百までやる。日本に百歳で卓球をやっている人がどこかに4人いるようです」と、百歳の卓球選手に興味津々、八丈島の大会にはやる気満々の様子で語った。
29日の開会式では、今年で「デザイン生活60年、卓球生活40年、書道生活20年」という浅葉さんが、近況を報告した。ひとつは、作家・三島由紀夫が被写体の写真集「薔薇刑」(二十一世紀版)の装幀を手がけたこと。同書の装幀は杉浦康平、横尾忠則、粟津潔に次いで4人目という。その大きな本が、会場に展示された。
今年9月にはスイスで開かれた「AGI(国際グラフィック連盟)」の2015年総会で、デザインと書と卓球について講演した。千葉県の市原湖畔美術館は現在、「巨匠シリーズの個展 浅葉克己展」(来年1月11日まで)を開催中だ。「巨匠ではありません。駆け出しのつもりです」と浅葉さんは謙虚だ。が、来年開催される「東アジア文化都市 2016 奈良市」のVIディレクターに決定しており、大きな仕事がひかえている。
浅葉杯 卓球ディナーショー
28日、リードパークリゾートで行われた「ザ・卓球ディナーショー」では、招待されたプロ卓球選手の岸川聖也さん(ロンドン五輪ベスト8)と、筑波大1年の坪井勇磨さん(14年度インターハイ3冠王)が初対戦(5セットマッチ)。レストラン中央に置いた卓球台で、スピード感あふれるゲームを展開した。参加者たちは、歓声をあげながら一流選手の卓球のスキルを見つめた。お笑い芸人「360(さぶろく)モンキーズ」の杉浦双亮さん、山内崇さんと浅葉さんの3人のおもしろ解説で場は大盛り上がり。岸川選手が3対1で坪井選手を破り、力の差を見せつけた。(3面に関連記事)
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