台風11号の影響による悪天候などで、それぞれに予定が1日ずれ、11日に前夜祭、12日に打ち上げが行われた八丈島納涼花火大会。打ち上げ直前にも激しい雨に見舞われたが、すぐに雨は上がり、底土海岸の上空に大輪の花が咲いた。
15回目を迎えたこの花火大会の特色の一つが、記念花火。個人3万円、団体は5万円を寄付して、メッセージのアナウンスと共に花火を打ち上げる。回を追うごとに希望者も増え、今年は21組の申し込みがあった。
誕生や入学などを祝い、島の子どもたちの健やかな成長を願うメッセージや、結婚の祝福、米寿の記念、お店の15周年の感謝、さらに「八丈島ガンバレ」「幸せな八丈島に」など、島民へエールを贈るものもあった。
主催者によると、ここ数年目立つのが、追善供養の花火。今年も5組の申し込みがあった。
「今年の夏は50回忌になりますね。そして私は70歳、古希を迎えます。あなたに会わせることが叶わなかった子どもたちも元気です。空の上から見守って下さい」
「去年8月にお別れしてからもう1年が過ぎますね。どこに行くにも一緒だったお母さんも元気に過ごしています。生前親しくしていただいた方も旅立ってゆきました。もう会えましたか?」
「暑い、暑い夏。あなたが旅立って、そろそろ1年を迎えようとしています。言葉では言い尽くせない『ありがとう』の気持ち。そしてもう一度『会いたい』の気持ちを花火に乗せて届けます。ヨゾラノムコウ(夜空の向こう)で、受け取ってね」
「お母さん先に逝ってごめんね。お母さんともっと一緒にいたかった。僕の分まで長生きしてね。今日は僕のために、花火ありがとう」
「オナガにクロマグロ、夢をたくさんありがとう。毎年一緒に見上げた花火、今年はあなたに贈ります」