固定翼の定期航空路がない小離島に暮らす人にとって欠かせない空の足「東京愛らんどシャトル」の就航20周年記念式典が29日、八丈島空港内の東京愛らんどシャトル格納庫で開かれた。日本で唯一のヘリコミューター路線として1993年8月25日に本格運航を開始。この20年間で31万人を超える利用者を島から島へ運んできた。式典では出席した来賓から「これからも安全でさらに利便性のある足として、島民の生活を支えてほしい」との期待が述べられた。
・地球120周分を飛行
運航会社の東邦航空株式会社によると、8月26日現在で、利用者の総数は31万3410人。総飛行時間は2万500時間、飛行距離は地球120周分に相当する492万??に達するという。
路線開設時はフランス製アエロスパシアル式AS365型だった運航機材は、01年より現在の米国製シコルスキーS76型に変更した。運航便のパイロットは1人で、乗客定員は9人。
八丈島空港を拠点にしている運航ダイヤは、午前9時20分に八丈島を出発して青ヶ島を往復。その後、八丈島→御蔵島→三宅島→大島→利島→大島→三宅島→御蔵島→八丈島(午後4時着)のコースをたどる。
今年6月には、それまで料金を払わなくても予約できたシステムを変更し、仮予約から3日以内の支払いを義務づけた。船と併用して仮押さえをする人が多く、本当に利用したい人の予約が取りにくかったためだ。料金支払後のキャンセルには、取り消し手数料やキャンセル料が発生するが、以前のような空予約はなくなったという。
12年度の就航実績は、就航率90・2%、旅客総数1万7142人。最も利用率の高いのが八丈島〜青ヶ島間で、75・4%となっている。
また、事業主体の島しょ振興公社によれば12年度の運航総事業費は5億5640万円。一方、収入は1億7633万円で、赤字分は東京都が補填している。
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