「八丈島JAZZフェスティバル」「旅の音まつり」「エイト島音楽祭」──。民間による3つの音楽イベントが21日から相次いで開かれた。存在感を際立たせたビッグネームから、自分の可能性を追いかける若いミュージシャンまで、色とりどりのサウンドが、島に流れた。
八丈島JAZZフェスティバル2013が21、22両日、多目的ホール「おじゃれ」で開かれた。
メインゲストは、ピアニストの和泉宏隆さん、ギタリストの榊原長紀さんによる「Duo LIBRA」とサックス奏者の宮本大路さん、上原弘子さんのコラボ。島出身のギタリスト佐藤光昭さんとピアニスト福本純也さんも出演し、アップテンポなジャズナンバーを響かせた。
2日目は「子どもたちによる子どもたちのためのジャズフェス」をテーマに、八高吹奏楽部、富士中吹奏楽部、三原中音楽部、社会人吹奏楽団が出演し、プロとの「夢の共演」を果たした。
ポットホールで24日に行われた旅の音まつり2013には、都内のライブハウスなどで活躍する9組のバンドが出演。若さあふれるパワフルな音が場内に響き渡った。東京からのツアー客約40人は前日に船で来島。島内観光や海水浴、バーベキューなど、島の夏をバンドメンバーとともに満喫した。
この旅を主催し、バンドとして出演もした八丈島出身の大澤萌さんは「初めてのことでてんやわんやでしたが、島を知ってもらいどう楽しんでもらうかがテーマなので、お客様から、『八丈島、最高』という言葉をいただいてうれしい」。同じく島出身の小崎伸悟さんは「自分たちで作ったイベントに多くの人が来てくれ、笑顔になってくれて、最高の帰郷になった。お世話になった島の方々に心から感謝しています」と話していた。
友部正人さんや中川五郎さん、元『たま』の知久寿焼さんらベテランから若手まで14組のアーティストと、島の太鼓や踊り、フラのチームが競演したエイト島音楽祭が24、25日に開かれた。
25日午後になって、激しい雷雨が大賀郷園地の会場を襲い、急きょ会場を大賀郷、藍ヶ江水産の地魚干物食堂に移して、5人の個性的なミュージシャンによるラストステージが行われた。柴草玲さんが「たたみちゃんのテーマ」に乗せて、夏フェスデビューの喜びを告白すると、「川辺」では胸に迫る儚さを歌い上げた。ほとばしる大粒の汗と共に、人間臭くて温かい歌声を観客にぶつけた竹原ピストルさん。フォーク界の大御所、中川五郎さんは、『一台のリヤカーが立ち向かう』の1曲に「大きな世界を変えるのは、一人の小さな動きから」と原発問題など今の社会へのメッセージを込めた。知久寿焼さんは「月が見てたよ」「らんちう」など、宇宙的空間に観客を引きずり込んだ。最後は友部正人さんと知久さんのコラボで、笑顔と共に音楽祭はフィナーレを迎えた。
|