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第3498号  2011年(平成23年)10月7日金曜日


● 「町職員の人材育成を」山下町長が所信表明 副町長に持丸孝松氏
  町教育委員に佐藤誠氏
● 町長、議長が出席 世界遺産記念式典
津波だ、逃げろ! 防災訓練
離島の物流コスト支援 新制度創設 国土交通省
● 島民の運賃割引制度も
51回目の陸上記録会装い新たに 自己記録更新テーマに スパイク禁止、2種目以上出場
● 離振法改正・延長求める意見書採択 
  「離島振興法」の改正・延長を求める意見書

● 体験農場 過去最高300キロ収穫
● 八丈語か八丈方言かは、日本語との違いの程度の問題
  東京の島ことば-八丈島と小笠原 ダニエル・ロングさん 島民大学講座
● 八丈町消防団出陣 6年ぶりの都操法大会
● アットホームな大会に 第29回タコスカップ
● 延べ5678人 光るキノコ観察会
● 「ハナムグリ」に続き「アオドウガネ」分布拡大 島のカナブン勢力図に変化あり
● ちょっとひとこと 公衆トイレにもきっと神様が…
● たんしん 八丈島歴史民俗資料館ガイドツアー 11月30日まで
● たんしん 日本習字の教室文化祭
● たんしん 三根・八幡宮の例祭
● たんしん 第50回町民体育大会
● たんしん 樫立・金刀比羅神社の例大祭
● たんしん 第70回学童部秋季野球大会「南海タイムス杯」
● たんしん 「介護保険制度の行方〜行政と介護保険事業者の責任と課題」講演会
● たんしん 金城靖子・内藤眞理子・間宮彩子展
● たんしん あびの実第74回講演「おしゃべりなパントマイム」



「ハナムグリ」に続き「アオドウガネ」分布拡大
島のカナブン勢力図に変化あり







アオドウガネ(上)とリュウキュウツヤハナムグリ(下)
       写真提供 島しょ農林水産総合センター



 一般にカナブンと呼ばれている光沢をまとった甲虫類。コガネムシ科に属し、八丈では、「リュウキュウツヤハナムグリ」と「アオドウガネ」の2種をよく見る。両者とも外来種だが、前者はシロテンハナムグリ属、後者はスジコガネ属で、生態は異なる。

 島内で一時期、大量に発生し勢力分布を拡大したリュウキュウツヤハナムグリは、上翅を閉じたまま脇から後翅を出して、早いスピードで飛ぶ。花やトマト・とうもろこしなどの甘い野菜や果実、樹液を食し、日中に活動する。

 一方、このところ分布範囲を急拡大しているのがアオドウガネ。植物の葉や芽を食し、モチの木や椿などの常緑樹でよく見られる。上翅を広げて飛び、夜行性で、灯火に集まる。

 一般的に「害虫」として認識されているのはアオドウガネで、土中の幼虫が根を食べるため、農作物の食害が問題となる。成虫は誘殺灯での誘殺、幼虫は土壌への薬剤散布で防除する。

 島しょ農林水産総合センター八丈事業所によれば、八丈島では両者とも駆除や研究の対象にはなっておらず、データはとっていないが、今年は例年よりアオドウガネが多いのではないかという。 

 

 在来種の運命は…

 アオドウガネに似たものに在来種の「ヤマトアオドウガネ」がある。11年版の東京都レッドリストでは「八丈島では近似種で国内外来種のアオドウガネが侵入し、勢力を拡大しつつあるため、衰亡が危惧される」とされ、留意種として掲載されている。八丈ビジターセンター解説員の菊池健さんは「少し前までは昆虫観察会などでも確認ができていたが、ここ2〜3年で、植物公園周辺ではまったく見られなくなった」と話す。

 同じく在来種の「シロテンハナムグリ」も、外来種の増加とともに確認が難しくなってきており、生態系の変化が懸念されている。


アオドウガネ
5〜9月にかけて出現。体長18〜23ミリ。上翅はツヤケシで、うすくたて線が入る

リュウキュウツヤハナムグリ
5〜8月にかけて出現。体長16〜28ミリ。ハデな光沢のある上翅