都立八丈高校吹奏楽部(顧問・大野潤治教諭、部員17人)は、10〜15日に府中の森芸術劇場で開催された『第51回東京都高等学校吹奏楽コンクール』(東京都高等学校吹奏楽連盟、朝日新聞社主催)で6年連続となる金賞を受賞した。10月8、9両日によこすか芸術劇場で開かれる『第11回東日本学校吹奏楽大会』の都代表(3年連続で4度目)にも選ばれた。
審査員からは「個々が大変よく努力されていて素晴らしい。ひとつのものを創り出すという芸術の原点がここにあるのかもしれません」「生き生きと演奏していて曲想がよく伝わってきた」などと高い評価を受けた。
快挙を成し遂げた同部だが、今年度はこれまでとはまったく異なる環境での挑戦だった。今春まで8年にわたって同部を指導してきた鈴木孝助教諭が3月に都立つばさ総合高校へ異動。音楽科の戸田星良教諭ら複数の顧問に支えられながら、今まで鈴木教諭と共に作り上げてきたスタイルを踏襲し、生徒が自らメニューを考えるなどして練習を重ねてきた。今回のコンクールのために楽曲「黄昏待ち」を作曲した相馬孝洋さんが6月と7月にそれぞれ2回来島し、外部講師として指導にあたった。直前には鈴木教諭も来島し、最後の仕上げに立ち合った。
コンクールでの演奏について鈴木教諭は「一人ひとりがそれぞれの感じる『黄昏』を表現しており、完成された芸術になっていた。高校生にはなかなか出すことのできない、透明感のある際立って美しい音色で、それぞれが、本当の楽器の音を出そうと努力してきたことがよくわかった」と生徒の成長を讃えた。
指揮も担当した相馬さんは「鈴木先生による精神的な支えがない中で、2・3年生を中心に本当によく頑張った。それぞれの個性や能力を引き出す曲づくりを意識したが、それを生徒たちがまっすぐに受け止め、楽しんで吹いていた。八丈の子たちにしかできない表現、音楽性が評価されたと思う」と話す。
部長の新井洋子さん(2年)は「昨年との環境の違いはありましたが、たくさんの方が支えて下さって、コンクールを迎えることができ、本当にありがとうございました。東日本大会にも出場できることになり、より多くの方にこの曲を聴いてもらえることになり、本当に嬉しいです。さらに練習を重ねて、皆さんへの感謝の気持ちを伝えられるような、想いを乗せた演奏をしたいです」とコメントを寄せた。
コンクールは編成人数別にA、B1、B2、C組に分かれるが、八高が出場したB2組(30人編成以下)には71校が参加し、金賞受賞は19校だった。そのうち上位3校が東日本大会に進む。
◆八高吹奏楽部員
沖山恵美、奥山佳奈、奥山美咲、川上美和、池田安友菜、西尾みかん、沖山梢(以上3年)、新井洋子、伊勢崎七海、田代萌子、瀬筒秀樹(同2年)菊池志帆、佐々木ゆりあ、白澤奈奈、矢島ゆう、奥山瑛利、沖山彩香(同1年)
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