梅雨入り後、まったくと言っていいほど日照がなかった昨年と違って、ときおり晴れ間ものぞく今年の梅雨空。特に島の北東側に開けた底土方面は比較的日差しにめぐまれ、夏空が広がった26日の底土海岸は、海水浴を楽しむ観光客や島の親子連れなどで賑わった=写真。3日には海開きが行われ、いよいよ八丈島も本格的な海水浴シーズンを迎える。
今年は津波災害や原発事故の放射能漏れによる海洋汚染が影を落とし、「海水浴は控えよう」というムードもあって、各地の海水浴場で「客足が読めない」と、その影響を心配している。八丈島観光協会へも、ファミリー層から「島に泳げるプールはありますか」との問い合わせが多いという。
一方、節電対策で「冷やせない夏」となるため、例年より長期の夏休みを設ける企業も少なくない。旅行代理店も夏休み期間中に家族で2週間程度の長期滞在ができるプランなど、新たな需要を掘り起こす商品を売り出しており、動向が注目される。
水質、放射線量 都が「問題なし」
東京都は例年実施している島しょ地区海水浴場での水質検査に加えて、今年は放射性物質の測定も行った。海水浴場33カ所で行われた水質検査の判定は「全て水質AA」(水質が特に良好な水浴場)。さらに、8島の各1カ所の海水浴場で実施した放射性物質の測定結果も「放射性ヨウ素131」「放射性セシウム134」「同137」ともに、定量下限値の1.0ベクレル/キログラムを下回る「不検出」だった。
なお、これまで海水浴場などでの放射線物質濃度の安全基準はなかったが、環境省は先月23日、今夏は暫定的に放射性セシウムで50ベクレル/リットル以下、放射性ヨウ素なら30ベクレル/リットル以下を目安と決めた。適用は7、8月の計62日間で、毎日5時間泳いでも安全な目安として定めている。
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