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第3484号  2011年(平成23年)6月3日金曜日


2011年度事業予定額 建築ラッシュ112億円 八丈支庁管内東京都事業説明会
  支庁新庁舎 来年1月竣工
● 早かった梅雨入り
● 改築へ向け基本設計 植物公園温室
● 島の未来を描くデザインを 都市計画道路 30年かけ全線完成へ
● 緊急ヘリ搬送 より迅速に 現状は順調時で5時間 支庁事業説明会質疑より
  観光不振で緊急対策要望 被災者支援ともつなげて 放射能情報発信を
● 霧の中 操法練習 消防団夏季訓練で
黄八丈人気震災後も衰えず 織協が総会 売上高8475万円
  都無形文化財指定は延期 黄八丈の工芸技術で「めゆ工房」「織協」
● ふるさと村 カヤ差し替えの請負業者は大震災で被災
● 伊豆国の開拓神となった 事代主の本貫地は阿波国
  シンポは「伊豆諸島の歴史見直す機会に」

● 地方議員年金廃止へ 給付は自治体負担で継続 法案国会通過 町の負担5倍に
● 「住民の不安解消を」 各自治体 独自に放射線測定
● 被災地へ届けたい 夏物衣料と日用雑貨を仙台へ 商工会女性部
● 海の向こうの武宰士 ホームで4連勝
● たんしん Knit E(東海エリカさん)初夏のバッグ展




島の未来描くデザインを
都市計画道路 30年かけ全線完成へ







 1980(昭和55)年の着工から30年、底土港─空港─八重根港を結ぶ全長7352m、道幅18mの八丈都市計画道路3・4・1号線は、今年度の工事を最後に完成する。これまで投じられた事業費は概算124億円。八丈島史上最大の道路整備プロジェクトだ。

 都市計画道路の計画が初めて住民に説明されたのは78年10月。空港はジェット機就航に向けて、1500mの滑走路を300m延伸する計画が具体化。また、大型船すとれちあ丸が就航するなど、アクセスの変化とそれにともなう基盤整備が動き出した時代だ。

 空港から底土まで3752mの都市計画決定は翌79年3月。80年7月には第1期区間(空港〜倉の坂、2062m)の工事に着手、6年後の86年4月に全線開通した。引き続き着工した第2期区間(倉の坂〜底土、1690m)は99年5月開通。

 第3期区間(八重根港〜永郷道路、1960m)は89年10月に事業認可、03年7月に開通。第4期区間(永郷道路〜空港、1640m)は、山林部分を掘り割り方式で整備し、現在工事中だ。

 支庁土木課が「島内の都道整備は歩道設置などを残して概成した。今後は新規路線開設ではなく、既存道路の改修が主体になる」との認識を示すように、道路整備を核としてきた島のインフラ整備はターニングポイントを迎えた。


 多額の税金を投入して行う公共事業は未来への先行投資で、20年後、50年後を想像してグランドデザインを描く長期的な視点が求められる。これからは便利さ、暮らしの豊かさを追及するだけではなく、災害から人の命を守ったり、失った自然を再生したり、新しいエネルギーを生み出すといった、新たな可能性を期待したい。後世に「先見の明があったね」と言ってもらえるよう、島の未来に底力をつける公共事業を創出してほしい。

写真=今年度、整備が行われる空港前。既設のビロウ並木の先から大群陸橋まで残された区間は230m。植樹帯に植えられたビロウは全線合わせて1319本。島を訪れる観光客の目に最初に映る島の景観だ