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第3467号 2011年(平成23年)1月1日土曜日
● 特集 取り戻した自然、笑顔 7島で瀬戸内国際芸術祭 アート遍路100日間で93万人
● 評価シート導入へ 四半期ごとにイベント検証 観光振興実行委員会
●「大きな家のような空間」 新島嶼会館 設計理念は
● 特集 メジナ釣行1000日! 小5で劇的な八丈島デビュー 菅野太郎さん
● 特集 瀬戸内国際芸術祭 アートと文化の島づくり たとえば、八丈島だったら
● 特集 瀬戸内国際芸術祭 刺激的 家プロジェクト 直島・豊島
● 特集 瀬戸内国際芸術祭 水、オンバも作品に 男木島・女木島
● 特集 在宅が基本、重度は施設で これからの介護 養和会・沖山芳清理事長に聞く
● さわさわ 「好きな句」 森清耕一氏
●「売ってナンボ」のキクチレモン
● みんなが幸せになれる社会とは 日本理化学工業会長 大山泰弘氏が講演
● ちょんこめ クリスマス発表会
● アイランドクリスマス 「森へ行こう」合唱 白井貴子さんと三原小児童
● 流星クラブ優勝 リーグ最終戦で順位決まる 軟式野球
● 坂上F 全勝V 学童部野球リーグ
● 離島センター助成事業募集
● ミッドウェー環礁で抱卵 鳥島巣立ったアホウドリ 第3の繁殖地として期待
● たんしん 第43回棋羅名人戦結果・こども囲碁大会入賞者
● 武宰士選手 シンガポールへ 出場機会求め自ら志願 2月から1年間 アルビレックス新潟・Sへ移籍
● サザンに演歌 アニソンも 社会人+中高生 八丈ウインド・オーケストラ
● 頌春句 八丈俳句会
● お正月を彩る!「苔玉」 八高園芸科の作品 空港ロビーに展示
● 新春の催し「新春サッカー大会」「消防出初式」「成人式」「鏡開き」「八丈島パブリックロードレース」
「八丈島文化フェスティバル」「凧揚げ大会」「ヘルシーフェスタ」「八丈島警察署武道始式」
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取り戻した自然、笑顔
瀬戸内国際芸術祭
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豊島。再生された棚田を含むインスタレーション「豊島の気配」
男木島。玄関先に置いてあったオンバ(手押し車)
男木島。石垣に展示された作品「海と空と石垣の街」
男木島。「路地壁画プロジェクト」のひとつ
直島。路地で見かけたCafe「にゃおしま」の入口
男木島を離れる船。瀬戸内国際芸術祭の来場者の7割は女性だったという
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現代アートの祭典「瀬戸内国際芸術祭2010 アートと海を巡る百日間の冒険」が、昨年7月19日から10月31日まで、香川・岡山両県の7つの島を会場に高松港周辺を取り込んで開催された。105日間の来場者は、当初予想の3倍を超える93万8246人。多くの人のこころをつかんだこのイベントを最終日間際の10月末に取材した。
産業廃棄物の不法投棄事件で有名になった豊島(てしま)も会場のひとつ。埋め立てられた約56万トンの産廃は、国と県の責任で島外へ搬出されているが、まだ3分の1が島に残る。湧水に恵まれ、稲作など農漁業が栄える、文字通り「豊かな島」だったが、過疎・高齢化で3000人を超えていた人口は約1000人に減り、一次産業は衰退した。
現代アートによってかつての美しい自然と、島民の笑顔を取り戻そう、と、株式会社ベネッセホールディングスの会長で直島福武美術館財団理事長の福武總一郎氏が総合プロデューサーとなり、芸術祭へ向けたプロジェクトが香川県を巻き込んでスタートしたのは07年。休耕田となっていた棚田を地元住民と共同で再生させ、その敷地の一角にこの秋、「豊島美術館」も開館した。上の写真は、再生された棚田に接する明神池にオブジェを置いた作品「豊島の気配」。風が吹くとゆらゆら動き、鳥や花を連想させる。芸術祭終了後も継続して展示中だ。心地よい空間とそこに溶け込んだ作品に出会い、来場者の表情から笑みがこぼれていたのが印象的だった。
男木島(おぎじま、人口約200人)は水に恵まれず、不足すると、本州から支援の水が運ばれた歴史がある。そうした島と水との関わりを表現した作品や、細い路地が多くて自動車が通れない同島で、島の人たちが荷物を運ぶのに使っているオンバ(乳母車=手押し車)を作品=写真下=にするファクトリーもあった。ただ展示して終わりではなく、地元の利益につなげよう??という発想だ。
アートの力によって地域を再生しようというこのイベントの成功は、「観光アート」の良い見本として注目されている。
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