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第3633号  2015年(平成27年)7月10日 金曜日


● 航空路を守る @ 萩・岩見空港の挑戦  国交省コンテスト羽田枠 死守 県・自治体 利用者に最大1万円助成
    観光・ビジネス需要も
    羽田枠 1便の重さ
● 太田国交大臣が八丈視察

● 「国の制度に基づき都が支援」 太田国交相 町、改めて要望書提出
● 「島民巻き込む運動に」 航空運賃特別委が初の協議
    9月定例会での予算可決が焦点
● 土砂崩れ相次ぐ 地震以後、大雨で

● 初の土砂災害警戒情報 2日朝、Jアラートで
● 防災協定締結へ 支庁と町が危機管理対策会議設置

● 戦後70年 <5>  青龍丸撃沈 島民57人死亡 救出された奥山公男さん 「救命ボートは沈む海の渦に巻かれ…」
    日本の沈没船7240
隻 太平洋戦争中 商船、漁船も徴用
    出島、帰島時に乗った島園丸も萩丸も撃沈…
● 海に墓標を 戦没した船と会員の資料館 「平和な海は海洋国日本の生存条件」
    船員、民間人だけで12万人

● 秀家ゆかりの垂水市を訪問 岡山での交流が発展 八丈島配流前の歴史に触れる
● 潜居先での秀家の暮らし 宇喜多秀家と平野屋敷
    豪姫と再会後 薩摩へ 家臣増えるたび増築 秀家は物静かな文人 八丈島へ遠流の身に

● JA東京島しょ 来年1月 4島の店舗廃止 信用事業譲渡は5月22日
    遊休資産買い上げ要望  利島、トビモン被害で椿の実が大不作
● 漁協総会 キンメ価格安定 組合長「今年のカツオ漁は皆無」
● 八重根漁港に あおがしま丸係留岸壁
   
● 地熱住民説明会 町と都 公募条件案示す 「具体的な還元策織り込まない」

● HJBC中止 参加チーム不足で
● 6月来島者微増

● 大型客船 5回連続寄港できず

● たんしん エイト島箱入りライブ 11日14時〜21時、ライブハウスPot Hallで
       講演会「八丈島の火山」 11日19時30分から八丈ビジターセンターで
       「ハワイ−
八丈島リーダーシップ・ハワイ研修」説明会 11日19時30分からワイルルで
       乙千代ヶ浜海水プールの解放 7月18日から8月31日まで
       第5回三宅島・八丈島交流バドミントン大会結果
      

 


シリーズ<航空路を守る> @ 萩・石見空港の挑戦

国交省コンテスト羽田枠死守  県・自治体 利用者に最大1万円助成


 

 

 

 昨年春、航空運賃の大幅値上げが行われてから1年。町や議会は、全日空をはじめ、国、都などの関係機関に値下げや支援の要請を行ってきた。が、運賃はさらに上がり、往復3万円を超えている。昨年の来島者数は過去46年間で最低の水準に落ち込んだが、利用者を増やすための新たな取り組みはなく、島民を巻き込む運動も行われていない。全国の地方空港が航空路線維持のためにしのぎを削る。地元がありったけの知恵を絞り、並々ならない努力をしなければ、路線の維持や便数の確保が難しい時代。全国のさまざまな取り組みを追った。       

 全日空羽田発着路線の14年度搭乗率ワースト5は、いずれも搭乗率50%を割り込む路線。政策的に路線を維持する大島路線を除くと、八丈島(49.0%)を含めた残り4路線は搭乗率40%台だ。
 搭乗率49・8%の萩・石見路線は、現在、羽田へ1日2便が就航するが、このうち1便は国土交通省が行った「羽田発着枠政策コンテスト」に参加して勝ち取ったものだ。
 同コンテストは、航空会社の自助努力のみに頼らない地域主体の地方路線の充実を図ろうと、地方自治体と航空会社が共同で利用者を増やす優れた提案を行った空港に、国交省が羽田の発着3枠を配分するもの。13年11月に萩・石見空港のほか、鳥取と山形、そして佐賀の4空港が参加して審査が行われた。
 採点の結果、1日1往復を2往復化することによる観光振興や、航空会社と地元とのリスク分担を掲げた萩・石見が最多得点を獲得。山形、鳥取と共に、14年3月から2年間の期限付きで、羽田の発着枠を獲得した。
 93年に開港した萩・石見空港は、当初羽田1便、大阪(伊丹)1便が就航。その後羽田2便の期間もあったが、利用者数の減少で02年に羽田線が再び1便となった。ピーク時16万人あった利用者数も、06年度には8万人台まで減少。11年には大阪線が廃止された(現在夏季限定で期間運航)。
 本土の空港は、八丈島のように単独自治体が受益者となるケースはなく、周辺の複数自治体や関係団体、民間企業、個人サポーターなどをメンバーとした協議会組織を編成し、利用者の拡大や、航空会社との折衝を行うケースが目立つ。
 萩・石見空港も、空港がある島根県益田市の山本浩章市長をトップとした「萩・石見空港利用拡大促進協議会」を設置。 14年1月に行われた総決起大会では、「万が一、利用拡大が不調に終われば、再度1便体制に戻る可能性もあり、その場合2便復帰は極めて厳しい関門となる」と強い危機感を表明。▽地域活性化と利用拡大を力強く推進▽圏域一体となり空港を支える気運を醸成する▽関係機関と連携・協力を深め、あらゆる方策を講じ、利用拡大を最大限促進する──と決議した。
 会員は島根、山口両県をはじめ、周辺の市町村や同議会、観光協会、商工会、自治会など各種団体をはじめ、金融、報道、電力、郵便、運輸・鉄道、農協や漁協、民間企業、ライオンズクラブなど、150人を超える幅広いメンバーで構成している。
 同協議会が実施している利用促進策の一つの柱が地元の益田市、浜田市、萩市、津和野町、吉賀町、阿武町の在住者や出身者を対象にした運賃助成。往復利用者に最大1万円をキャッシュバックするなどさまざまな助成メニューを用意している。全日空の各種割引料金に重ねて適用可能で、割引幅の大きい旅割との併用では、1万円を切る金額でも往復できる。

  観光・ビジネス需要も

 もう一つが観光・ビジネスなどの需要開拓に向けた施策。旅行会社とのタイアップによる個人向け・団体向け旅行商品づくりや、ウェブを利用した情報発信などにも力を入れているほか、姉妹都市交流や修学旅行、スポーツ・文化交流事業にも助成の幅を広げている。ビジネスの行き来で運賃助成が適用されるサポーター企業の登録制度では、すでに1100社以上が登録している。
 14年度は増便を利用者に周知するのに時間がかかったこともあり、前年度の1.5倍まで利用者数を増やしたが目標の12万人には届かなかった。今年度は12万7千人を目標にさらなる利用者増対策に取り組んでいる。
 運賃助成などの財源は協議会構成メンバーに名を連ねる島根県と、運賃助成の対象自治体が負担している。同協議会の14年度事業費は約1億9000万円。赤字リスクは一定限度まで航空会社と協議会が分担する取り決めもある。「来年度以降も、羽田2便枠を維持できるように全力で目標達成を目指します。全日空も地元の施策に協調し、独自の利用促進施策を行ってくれており、一緒に利用者を増やそうとの気運も高まっていて、手応えはあります」と同協議会事務局はいう。

  羽田枠 1便の重さ

 萩・石見空港の取り組みは、羽田便の1枠が地方空港にとってどれだけ重く、大きな価値を持つのかを再認識させてくれる。そしてその路線を維持するためには、利用者を増やすことが最も重要で、地方と航空会社が信頼関係をベースに、一体となった施策を行うことが不可欠だ。