kiji101112kiji101112
 
過去記事TOPTOP
kiji110325kiji110318


第3591号  2014年(平成26年)1月24日 金曜日


● 八丈小島のクロアシアホウドリ つがい2組が抱卵中
  順調なステップで──世界最北端の繁殖地に
  海上にコアホウドリも
  カラーリングは観察向き

● 鳥打の営巣地入り口 看板で呼びかけ「子育てじゃましないで」
  都環境局 来年度予算で調査費計上へ


● 小笠原自然文か研究所・鈴木吹く理事長に聞く
  あなたはどう感じますか──アホウドリが飛ぶ八丈島の景色
● やっぱりいた八丈小島のノヤギ
  町担当職員 撮影に成功
● 聟島のアホウドリ 2年連続繁殖失敗

● 漁業用カゴ網で大量捕獲──和泉のアズマヒキガエル
● 組立式台船が活躍 支庁が見学会

● 都知事選告示 投票は2月9日
  秋には八丈町議選
● 武宰士
選手 けがも影響──アルビ新潟 契約更新せず
● 屋台の主人の歌謡ソウル『おじゃりやれ』 iTunesで配信されています
● 凧あげ大会

● 島の宝磨きワークショップ開催 菊池レモンの可能性探ろう
  「ネーミング決める時期」
● 2013年…火災、事件事故、地震
  空港で不法侵入訓練
● 武道始式
● たんしん 学芸会 2日 各校体育館 三原小8時30分〜 大小8時50分〜 三根小9時〜
       PARTY 25日 11時30分〜15時30分 ポットホール
       第63回八丈島囲碁選手権大会 26日 9時〜 三根公民館
       第49回棋羅名人戦結果
       こども囲碁大会結果



八丈小島のクロアシアホウドリ
2組のつがい抱卵中
世界最北端の繁殖地に



抱卵中のクロアシアホウドリ。


羽を広げたときの大きさは大きいもので1.9〜2.1メートルほどになる。


営巣地付近には割れた卵が。
カラスなどにつつかれたものとみられる。




   八丈小島に生息するクロアシアホウドリの2つの巣のつがいが抱卵中であることがわかった。今月6日、伊豆諸島自然史研究会会長の東京大学名誉教授・樋口広芳氏らが小島の営巣地を調査して確認した。16日に行われた環境省での記者会見では、「12月下旬に産卵したものと思われ、順調にいけば2月下旬にはふ化する予定だ。今回の繁殖確認によって八丈小島はクロアシアホウドリの世界最北端の繁殖地となった」と発表した。

 昨年春に小島鳥打の緩斜面に定着していることがわかったクロアシアホウドリ。その時点では産卵は確認されなかったが、夏を過ぎて繁殖シーズンを迎えた10月末に再び八丈小島に飛来。12月末には、都の鳥獣保護員・森由香さんの観察で産卵しているらしい4例の個体を発見した。
 そして今年1月6日、樋口氏ら同研究会のメンバーなど6人が現地を調査。2つの巣のつがいが産卵・抱卵しているのを確認。ほかの2例は産卵していなかった。また、クロアシアホウドリの割れた卵のかけら1個も見つかった。
 全体の生息数は30羽ほどと見られ、雌雄で求愛行動を見せたり、疑似抱卵をしている例がほかに5、6例あった。繁殖地形成に向けて順調なステップで、繁殖数は今後確実に増えていくものと予想される。
 また、定着個体の中に、足環をつけているものが2羽確認できた。うち1羽は写真によって青いカラーリングに「M997」の文字が判読できた。同研究会のメンバーが照会したところ、09年5月19日に小笠原の聟(むこ)島鳥島で、小笠原自然文化研究所と東京都小笠原支庁によって標識放鳥された個体とわかった。
 同研究所の鈴木創副理事長は「青いリングは、東邦大学の長谷川博教授に相談して、伊豆鳥島で使用していたものをもとに、小笠原版を作りました。このカラーリングを付けた鳥が卵を抱いているかどうかはわかりませんが、09年1月にふ化し、同年5月に巣立ったもので、今年1月で5歳になる若鳥。そろそろ繁殖を始めてもいいタイミングです」と説明する。 

海上にコアホウドリも

 小島が新たな繁殖地となった背景には、ノヤギの駆除がほぼ完了したことや、小島は伊豆諸島中、唯一イタチが移入されておらず、また、緩い傾斜の草地が広がるなどの好条件があげられる。
 樋口氏は今後の課題として▽捕食者となりうるネズミ(ドブネズミ)の除去▽継続的なモニタリング▽繁殖場所への立ち入り規制──などをあげている。
 クロアシアホウドリの定着と共にもう一つ注目すべきことが、昨年12月から、アホウドリやコアホウドリが小島上空や周辺海域に飛来しているという目撃情報。6日の調査時にも、海上を飛ぶコアホウドリを観察した。樋口氏は「近い将来、八丈小島がアホウドリ類の繁殖地となれば世界から注目される島になる」と、今後の展開に大きな期待を寄せる。

鳥打の営巣地入り口 看板で呼びかけ「子育てじゃましないで」
都環境局来年度予算で調査費計上へ

 八丈小島でクロアシアホウドリのつがい2組が抱卵していることを専門家が確認したことを受けて八丈支庁と町は17日、釣り客やダイバーが不用意に繁殖地に入らないように呼びかける看板を2カ所に設置、繁殖地に通じる道路にはバリケードを置き、ロープを張った。
 看板には八丈支庁と町の連名で「準絶滅危惧種のクロアシアホウドリが子育てをしています。人が近づくと悪影響を与える恐れがありますので、この先への立ち入りはご遠慮ください。期間は平成26年6月末までの予定です」と記載し、協力を呼びかけている。
 支庁産業課によれば、都環境局では14年度の予算に小島における鳥獣保護区設置に向けた調査費を計上する予定だ。鳥獣保護区が設定されれば、鳥獣保護法に基づいて対象地域内での狩猟や捕獲行為が制限される。
 17日、昨年5月に続いて小島のクロアシアホウドリを視察した和田慎一支庁長は「将来的には観光などにも期待が持てるが、繁殖が始まったばかりの今の段階は、人間の都合を優先するより、まずは自然な鳥のリズムを大事にして、邪魔にならないように見守っていくのが最も大切なことだと思う。そのほうが将来的に安定した繁殖地の形成に繋がるのでは」と話している。