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第3565号  2013年(平成25年)5月31日 金曜日


夏休み後半ホールや野外で 多彩なライブ企画中! 音楽あふれる島に
  「ホール効果」!?
  弦楽奏者招いてサマーコンサート こけら落とし
  JAZZフェス プロと公演 クリニックも予定
● ライブツアー「旅の音まつり」 昨年に続いて
  ポットホールでのライブステージ
● レゲエで楽しむ島、海、サーフ 大潟浦で
● 野外フェス エイト島音楽祭 島文化も発信
● 鳥島のクロアシアホウドリ 最大1万5000羽生息 東邦大学教授 長谷川博氏に聞く
  アホウドリ調査 今回が110回目
● 八丈小島 繁殖地になれば北限 将来は「観察ツアー」も
  未来を信じて 今できる努力を
嫁島でコアホウドリ繁殖 ノヤギ排除で繁殖環境復活
  アホウドリ類は国内に3種生息
清水あすかさんの詩集「二本足捧げる。」 「萩原朔太郎記念とをるもう賞」受賞
商工会総代会 33年ぶり会費値上げ 夏まつり 新庁舎周辺で
● 黄八丈織協が総会 売上高1千万円減
● 実現可能性検討へ 4つの課題別ワーキングで 第2回再生可能エネルギー利用拡大検討委員会
● 80人が田植え体験
● 投稿写真 八高卒業生激励会 先輩・アクセルこうじさんも芸で応援
● 八丈支庁13年度事業説明会 予定額87.7億円 新庁舎全面完成は10月に
  継続事業が主体
● 島部は3氏立候補へ 都議選 告示まで2週間
● 7月4日公示 21日投票 参院選日程
● 若者の入会歓迎 対象者枠も拡大 三根会が総会
● 都民大会サッカー ベスト4ならず
● 戦後に設立 木造の農協 支庁展示ホール「今昔写真」より
たんしん 2日 クリーンデー

たんしん 9日11時〜 三根地域敬老会 三根小体育館で
たんしん 15日9時30分〜 社会福祉協議会主催 第10回福祉交流まつり 三根小体育館で



鳥島のクロアシアホウドリ
最大1万5000羽生息
東邦大学教授 長谷川博氏に聞く


4月16日に撮影されたクロアシアホウドリのヒナ。
やわらかい綿毛が、赤ん坊のよだれかけのように見える





クロアシアホウドリの卵は10〜11cmほど。卵は2カ月あまりで孵化する
(写真は3点とも長谷川博氏の提供)





 長年、八丈島をベースにアホウドリの保護活動を続けている東邦大学理学部教授の長谷川博さんが5月5日、約1カ月間、鳥島で単独で行っていたひなの調査から帰ってきた。長谷川氏が鳥島滞在中、八丈小島でクロアシアホウドリ(以下クロアシ)の生息が確認されるというビッグニュースが新聞・テレビで報じられた。鳥島でのクロアシの生態や、小島での繁殖の可能性、保護のあり方などについて長谷川氏に聞いた。

アホウドリ調査 今回が110回目

 1976年から長谷川氏が鳥島で行っているアホウドリ調査は今回が通算110回目(うち6回は上陸できなかった)、調査日数は合計2170日に達している。

 77年に長谷川氏が初めて鳥島に上陸した時点では15羽のひなと71羽の成鳥・若鳥を観察した。その後の献身的な保護活動によりアホウドリは着実に増加し、昨年11月の調査では鳥島全体で産卵するつがいが538組、生息数も3220羽程度と推測された。

 尖閣列島、現在、新たな繁殖地として移住計画が進められている小笠原諸島聟島、さらに一つがいの産卵が確認されたミッドウェイ環礁を含めて、生息数は3800羽程度になると予測している。

 長谷川氏は間もなく定年(65歳)を迎え、今年度末で退職する。これまで取り組んできた従来からの営巣地「燕崎」のコロニー再生・保全や、鳥島北西斜面での新コロニー形成。さらに小笠原諸島へのひな移住計画など、続けてきたことがいずれも成果に結びついてきた。

 「定年までにアホウドリを復活させたいという夢が実現できた。生息数は順調に増えており、2018年には5000羽に達し、もう心配はなくなる。それまでは鳥島通いは続けたい」と長谷川氏はいう。

 鳥島にはアホウドリを囲むように多くのクロアシも生息している。長谷川氏が今回の調査でカウントしたクロアシのヒナは2224羽。卵は正確には数えられなかったというが、繁殖率がアホウドリと同様約70%として、産卵数は3000個程度とみられる。

 卵は一つがいが、一つ産むので雌雄で6000羽。このほか求婚中の世代や、繁殖年齢に達していない若鳥まで含めると、鳥島だけで、1万から1万5000羽のクロアシがいると推定できる。

 今回、八丈小島で確認されたクロアシは足環標識がないことから、長谷川氏は「鳥島のクロアシは標識はつけていないので、その一部が新たな繁殖地を探してやってきたのではないか」とみている。

 「明確な理由はわからないが、小島が無人島になり、ノヤギもいなくなったことが大きい。木が少なく、草丈の低い野原がある植生条件も鳥島に似ていて繁殖に適している。発見されたのは今年だが、30羽という数からみても、前から来ていて、集団が少しずつ増えていったのではないか」と長谷川氏はいう。

     ×

 インターネットのユーチューブには、今年4月5日付けで、青ヶ島の最北端、ジョウマン岬の草むらで撮影されたクロアシの動画がアップされた。「カメラを近づけても急いで逃げることはしま?せんでしたが、くちばしを鳴らして警戒しているようでした」とのコメントも添えられていた。

 伊豆諸島の他の島にもクロアシの繁殖地が広がっていく可能性について長谷川氏は、「八丈島以北で小島のような条件の所はないので、ここが北限になるのでは。青ヶ島は崖の部分に繁殖する可能性はある」という。その上で、「大切に保護して繁殖地が安定すれば八丈島にとっても大きな財産になります。鳥島にも豪華客船がきて、船上からアホウドリを観察することもあります。小笠原やガラパゴスなどでもガイドツアーをやっていますが、いずれも現地に行くまでが大変。その点、小島は八丈からも近いので、手軽に観察ツアーができるのはメリットです。今から情報を収集して準備しておくといいかもしれません」と長谷川氏。

 保護対策については、地元のエコ・ツーリズム関係者などで保護団体を組織して、ガイドラインを定め、それを行政にもバックアップしてもらうことが大切だという。また、八丈ビジターセンターなどが主体になって観察情報を発信し、今の段階から関心を高めていくことも必要だという。

未来を信じて 今できる努力を

 「30年ほど前、調査で御蔵島に行ったとき、将来はこの島の巨樹や豊かな水、カツオドリの繁殖地などが観光資源になると話したら、地元の人がみんな笑っていたのですが、イルカウォッチングを含めて本当にそうなりました。これからはそうした流れがもっと加速する時代ですから、未来を信じて、できることは努力しながらやっていけば、きっといい結果が出ると思います」とアドバイスする。