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第3548号  2013年(平成25年)1月1日 火曜日


● 銀座三越で島外デビュー 動き出した菊池レモン「ブランド化計画」
● いつまでも…
町庁舎 完成まで2カ月 経済企業委協議会 植栽計画が説明
町庁舎建設工事 請負契約金変更を議決
● 農ビ、漁網など焼却 町が破砕機購入
● 資料館の八丁撚糸機 紬の一大産地の歴史 物語る
八丈島に残る撚糸道具 染織作家 行松啓子さん
「野菜作りをビジネスに」 U・Iファーム 浅沼裕子さん
● 「空より高く」大研究! 八丈島空港を舞台に描くほんわかラブ 宮川匡代さんに聞きました!
● 潜入ルポ! 「空より高く」ができるまで
● 「読む」のではなく、「わかちあう」こと 全国に広がるブックスタート事業
● 0歳からの絵本との出会い
● 約半数の自治体で事業化 継続的な実施体制が課題
 子ども読書活動推進計画 絵本の力母親が知るきっかけに
● ごみリサイクル率70% 収集車も、焼却炉もない町 ゼロウェイスト宣言の町 上勝町
● 華やかイルミと大道芸で アイランドクリスマス
● 病院情報システム更新へ 院外処方14年1月以降…来年度に
● 世界初 トライランドアスロン? 1月26日開催 出場者募集中
● 2年連続の快挙 科学技術政策担当大臣賞受賞 三原中サイエンスクラブの研究
● 蘭導、うねめ太鼓熱演 八丈太鼓六人会30+1年記念公演
● 龍神が初優勝 野球リーグ 全日程終える
● 坂上フェニックスが全勝でV ジュニアリーグ
● 新春の行事
● たんしん 17日 認知症ステップアップ講座(1)認知症のある方への対応の実際
● たんしん 19日 認知症サポーター講座
● たんしん 第47回棋羅名人戦結果




動き出した菊池レモン「ブランド化計画」
銀座三越で島外デビュー



1個200〜300グラムで、輸入品や他の国産品よりかなり大きい



奥山正孝さんの栽培温室で




 クリスマス前、島内スーパーの青果コーナーに黄色く完熟した「菊池レモン」が並んだ。サイズは200〜300グラムで輸入品や他の国産品よりかなり大きい。値段は1個400円を超えるものが多かったが、さっそく購入する人や、手に取って添えられた説明文を興味深く読む人もいた。

 約2年前から本格的な栽培が始まった菊池レモン。現在19戸の農家がハウス内外で約1500本を育てている。今シーズン出荷できるのは大賀郷・奥山正孝さんと中之郷・山下誉さんのハウスで育った1200個ほど。初出荷を前に公設市場出荷組合の「レモン部会」では何度も会合をもち、規格や価格設定、そして商品名などを話し合ってきたが、まだ最終的な結論は出ていない。

難しい価格設定

 島しょ農林水産総合センター八丈事業所が都内の有名デパート5軒で国産レモン10商品の販売価格を調査したところ、最高値が100グラム当たり263円だった。200円を超えたのは2品で、6品は100〜158円、残り2品は60円台だった。

 調査した国産レモンは1個100〜150グラム程度の通常サイズ。これに対して菊池レモンは、常識を超える大きさ、酸味が穏やかな果肉、独特な甘い香りで食べてもおいしい果皮など、他の国産品と明らかに差別化できる特徴を持っている。が、どれだけいいレモンでも「消費者がレモンに出せる価格」には限度がある。高級品としての価値も守りながら、消費者に受け入れられる価格をどう設定するか、生産者の経済性のバランスも含めて難しい決断だ。

 まだ、本格的な出荷ができないにもかかわらず「八丈島に樹上完熟させた、大きなレモンがある」という話は、食品流通業界に少しずつ浸透しており、都内のデパートや有名レストラン、加工業者など、さまざまなルートから引き合いもきている。レモン部会では、島内外の人に菊池レモンの存在を広く周知することや、価格に対する消費者の反応を確かめるために、島内での試験販売の継続やイベントでのPR、そして島外からのオファーにも可能な範囲で応えていくことになった。

 

「八丈檸檬」で

 その一つが、銀座三越での先行販売。青果物卸・加工を手がける株式会社東京フード(本社栃木県佐野市)の企画だ。今月から野菜コーナーで菊池レモン秀品の生果販売を開始、3月中旬から約2週間行われる「オンリーMIフェア」では、加工品を販売する。

 東京フードでは、専用パッケージによる包装を行うほか、商品の持つストーリーや産地情報も消費者に伝え、より付加価値をつけて販売したいという。また、「菊池レモンではわかりにくい」という三越側の意向を受け、今回の販売では、消費者に生産地がストレートにわかるように「八丈檸檬(れもん)」の名称を暫定的に使用することになった。

 その地域ならではの特産品づくりに全国の自治体がしのぎを削る中、八丈島で動き出した菊池レモンの「ブランド化計画」。生産者、農協、行政が連携し、それぞれの得意分野で力を発揮して、成功に導くことができれば、八丈島の産業振興や観光誘致への波及効果も期待できる。黄色いレモンの夢は広がる。