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第3459号  2010年(平成22年)10月15日金曜日


●「読めない票」実績と期待と 町議選16人立候補 17日に投開票 定数14に現職11、新人5
● 伝えたい気持ち 三十一文字に 嗚呼、八高青春短歌
● 4小学校が連合音楽会 夏休みから練習重ね
● 三宅島の犬 映画の題材に 近く撮影スタート 来夏ロードショー
マウイでフルマラソン完走 船橋勝さん 65−69歳の部で4位に
こんな図書館あったらいいな!(1) 笹本薫
● 観光国際化へ
(1) 自然景観、異文化体験… 都、外国人モニターの意見まとめる
● 選抜男子200M、砲丸投げ廃止 中学校の陸上記録会 来年から種目など変更
● 惜しくも銅賞… 八高吹奏楽部 東日本大会で
● サッカー審判員講習会に29人
● 4年ぶり新記録なし 第50回八丈管内中学校陸上競技記録会 上位入賞者
● 雨にたたられた町民体育大会
シート破損を検知 山梨県の処分場 3層構造 昨年稼働  検知は地下水汚染後に 安全対策が万全でも…
● のびのび ゆったり 力強く 書道展に120人の作品
● さわさわ 「残り菊…の句が」 森清耕一氏
● ヤスデ発生 ほぼゼロ 夏の日照りが影響か
● たんしん 三根・大神宮例祭
● たんしん 商工会青年部創立40周年記念式典・祝賀会
● たんしん 第60回白浜会ゴルフコンペ結果



嗚呼、八高青春短歌
伝えたい気持ち 三十一文字に








 八高祭で10年ほど前から発表されている「八高青春短歌」。学校での授業や部活動の様子、友人や家族への思いが垣間見られるようで、文化祭を訪れる保護者や島民に人気が高い。恋愛や将来への不安など、まっすぐでいてフクザツな八高生の日常の思いが三十一(みそひと)文字に切り取られている。
 

 青春といえば、やっぱり恋の歌。「伝えたい言葉はいつも臆病で胸の中から出ようとしない」(菊池将太)、「いつもよりやけに重たい迷ってる送信ボタンと私のこころ」(菊池真里那)、「電子辞書貸した次の日履歴見る君が調べた名前の意味」(田中茜)。淡く揺れる心情が伝わってくる。
 父母の世代が高校生だった時代には、思いを伝える手段は「手紙」や「電話」だったが、今は生活の一部となっているケータイのメールが主役のようだ。手紙を出そうか出すまいか、ポストの前で迷うなんて経験を持つ高校生はもうとっくに姿を消したことだろう。
 「がんばった姿がうかんで涙出るメール苦手な父からデコメ」(西濱亜由美)、「寂しくて自分にメールを送ったよ不思議なことにさらに寂しい」(磯崎雄策)。家族や自分自身にもメールで語りかける世代を相手に、お父さんだってがんばるしかない。

 高校生活の思い出といえば、部活。「七分に命を懸けた一ヶ月輝く星がホールを駆ける」(川上美和)、「凛輪と駆ける仲間に魅せられる思いをのせて夕焼けトラック」(加藤輝一)、「雪谷に1‐4で負け立ちすくむ涙で終わった引退試合」(稲葉紗弥香)、「ユニフォームおまもり縫うのも最後かとどこか寂しいある夏の夜」(奥山美紀)。野球や吹奏楽、汗と涙でしょっぱい青春の味は今も変わらない。
 授業中の心境をたんたんと詠んだ歌もある。「流れゆくチョークの音を聞きながら夢を描いた教科書の隅」(新井洋子)、「右は海左は黒板見える席左の現実右見て逃避」(菊池紗希)。授業の時間はなかなか過ぎてくれない。これは昔も今も同じ、試練だ。

 高校時代の3年間はあっという間。いよいよ卒業が近づいてきた。「制服も5ヶ月すぎればコスプレに今更気付くもう卒業か…」(阿久津美愉)、「朝の四時『あと半年か』祖母は言う目に涙ため寝たフリをする」(大澤藍)、「どうしても嫌いになれないあの人も卒業したら卒業できる?」(岡野汐)。
 ほとんどの八高生にとって、卒業は島を離れる時。「夜の空見上げた先に星はなく頑張れるかな東京生活」(菊池杏菜)、「夢を見て信じる道を歩いてく夢想家ではない道作る」(木下寿樹)。もうすぐ始まる東京での暮らし。不安と希望が交錯する。
 離ればなれになる家族への思いも。「父母にたった五文字が言えなくて恥ずかしいんだなあ『ありがとう』って」(矢島みゆき)、「我が家の匂ひ鼻に焼きつけつつ荷物まとめる春心寂しからむ」(沖山摩耶)、「味噌汁はいろんな味があるけれどやっぱり一番ばあちゃんの味」(川崎友梨)。ふるさとの温かな思い出は五感にしみ込んでいる。

 東京へ行って思い出すのは、鮮烈な八丈島の星空かもしれない。「よく晴れた日の夜傘さし歩こうか今にも星が降りそうだから」(田村海憂)、「星々が個々の光を放つときこの青く澄んだ海へと帰する」(奥山佳奈)。
 「灯り増えまた星空が薄くなる地球はいつか恒星になる」(菊池柚香)。消費電力に比例して増えていく温室効果ガス。エコな時代を生きる若者の壮大なスケールの歌だ。